個人事業主のクーリングオフの誤解
個人事業主の方からもクーリングオフ相談をよく受けます。
大抵のパターンは、お店のサイトを作る契約をした、SEO対策の契約をした、お客様管理システムの契約をした、TelFax複合機の契約をしたがクーリングオフで解約したいというものです。
個人事業主の考え方
法人でもないし、一人で細々とやっているので消費者と同じではないか?という考え方で相談にお越しいただく方が多いのですが、特定商取引法の適用除外規定で、営業の為、もしくは営業としての契約は除外するという規定があります。
よって、適用除外には「法人」であることや「大規模」であることなど組織形態や事業の大小といったことは関係がないのです。
また、今まだ開業してなくてこれからお店をやるので、現にやっていないということもよく相談を受けますが、これも「営業の為」のものを規定していますから、現に行っているかどうかも関係がないということになってきます。
個人利用が主であることの意味
過去の通達(平成17年12月6日付通達)で個人利用が主である場合は、クーリングオフの対象と考えるのだという趣旨のものが出されたことがあります。
この背景にあったのは、過去に事業をやっていたが、現実には廃業しており、名目だけ残っている。ここを業者が悪用して事業者名義で契約をさせて特商法逃れをしようという脱法的手法がはびこったということがありました。
そこで、営業の為や営業としての「目的や実態がない」という事実に注目して出したということになります。
よって、上述の契約内容ですと営業の為の目的は明確ですし、SEO対策などはまさに実態がきちんとあるわけですのでこの通達の趣旨からもクーリングオフ適用とはならないということになります。
クーリングオフの適用かどうかの判断
よって、その事業者性、消費者性を見るポイントは、その契約が「営業の為もしくは営業としての契約」でるかどうか?ということになります。
ですから上述の例ですと、
- SEO対策~明らかに営業の為のものとみられる。
- TELFAX~電話機などではその設置場所や利用目的などで消費者性が出てくる事例も
- 顧客管理システム~明らかに事業者性あり
- お店の宣伝サイトを作成~明らかに事業者性あり
ということで、たいていの場合ではなかなか個人利用であるとはいいがたい契約内容のものが多いかと思います。
個人事業者への注意!
よって個人事業者は契約をする際にはより厳格に注意をして自己責任をもって契約をしてゆく必要性があるということは言えそうです。
また個人事業者をターゲットにする悪質事業者の存在を捨てきれません。これは経済産業省が通達で注意をしています。
なかなか相談する場所が少ないのが現状なのですが、経済産業省や中小企業ベンシャー総合支援センターなんでも相談ホットラインなどでの相談体制を整えるといったところで保護を図っております。
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