特定商取引に関する法律


 2001年にも訪問販売法及び割賦販売法の一部改正が行われました。11月10日に法案として成立致しました。施行日は平成13年6月1日から。主に在宅商法、マルチ商法に対しての規制が強化されています。詳しくは経済産業省のこのページを御覧下 さい。
http://www.miti.go.jp/kohosys/press/0001004/0/1006hohan.html

名前も「訪問販売等に関する法律」から「特定商取引に関する法律」と変わりました。


1番わかるクーリングオフ → コンテンツ → クーリングオフ目次 → 改正訪問販売法について


主な改正点は

1)連鎖販売取引の特定負担の基準金額「2万円」の撤廃

2)連鎖販売取引の定義として「特定負担を条件とする取引」から「特定負担を伴う取引」に

3)連鎖販売取引の広告規制を連鎖販売業を行うものまで拡大した。

4)広告に特定利益に関する事項を入れる場合はその「計算方法」を表示すること

5)誇大広告等の禁止を新設した。

6)モニターや内職商法を「業務提供誘引販売取引」として新たに定義。ほぼ連鎖販売取引と同様の規制。クーリングオフ期間を20日間とした。


 訪問販売等に関する法律および割賦販売法の一部を改正する法律案が通産省から平成11年3月に提出され、4月23日公布されました。

 施行日は平成11年10月22日になりました。以下に具体的な改正点をアップしました。

 (注)施行とはどういうことかといいますと、この日以降の契約日付けの契約に適用されるということです。ですから残念ながらこの日以前のものには適用されません。
 


目的


 近年エステ、外国語会話教室、学習塾、家庭教師派遣のサービス業において言葉巧みな勧誘や中途解約の問題等でかなりの数の消費者トラブルが多発して来ています。これらは平成9年度締めで 累計13、615件におよび、その約7割が契約解除に対するものです。実際私の事務所にもエステ、英会話教室がらみのクーリングオフ、中途解約の相談件数はかなりよせられています。

 これは契約当初からかなりの長期間の支払い契約やサービスの提供をあらかじめ約束していてなかなか中途解約に応じてくれないことから生じていると思われます。

 これらのものは訪問販売法等での規制の対象外になっているものもおおく、これらにたいしての法的な保護をはかるというのが今回の改正法の目的です。


概要

 エステ、外国語会話教室等のいわゆる継続的役務取引を「特定継続的役務提供」として以下の措置を講じる。

ア)訪問販売法について

1)事業者に対する書面交付による情報開示の義務付け
2)威迫、困惑等の行為の禁止
3)クーリングオフ、中途解約権の定め
4)罰金額の引き上げ、法人重課の導入
5)消費者等からの申し出による調査、人材養成等の業務を行う指定法人制度の導入

イ)割賦販売法について

1)事業者に対する書面交付による情報開示の義務付け
2)損害賠償額等の制限
3)割賦購入あっせんにかかる抗弁権の接続等

以上が概要ですが、消費者に中途解約権を認める一方で、業者の損害賠償の制限や法人重課、情報の開示義務など、消費者の保護をはかり逆に業者に対する規制や罰則の強化が特徴と言えます。

 またいままで訪問販売法上で対象にされなかった部分まで、保護が及んでいます。


具体的な改正点

 以下には今回の改正点が書いてありますが、なんといっても中途解約の上限額が定められたのは非常に大きいことです。また特定継続的役務の業者にも法定のクーリングオフが適用になりますからこの点も消費者保護が計られました。

 またこの手の業者は「店鋪契約」が多い為にその契約方法(例えば訪問販売やキャッチセールス)によらずに(1)の基準にあう業者であれば、全てクーリングオフができるということになります。

1)特定継続的役務提供の具体的な役務、期間および金額については以下の通り定める。

特定継続的役務

期間

金額

いわゆるエステティックサロン

1月を超えるもの

いずれも5万円を超えるもの

いわゆる外国語会話教室

2月を超えるもの

いわゆる家庭教師派遣

2月を超えるもの

いわゆる学習塾

2月を超えるもの

 この表にあてはまる業者は全て改正法の規制する業者となります。所定の書面交付義務、説明義務、クーリングオフ規定などが適用されます。

 書面の中でなんといっても大きいのが「概要を証する書面の交付」です。これは契約以前の段階で業者の財務内容や契約の内容を消費者が合法的に調べられるというもので、閲覧のみならず、謄本、抄本というコピーまで請求できるようになっております。契約前に調べられますので安全です。

 その際のポイントのひとつに「前受金の保全処置」という欄があります。これは一括して大金を払い込みサービスを受けようとしたが、業者が破産した。その際に既に払い込んだお金は戻るのか?という場面で効果がでます。保全措置で全額保全とあれば戻る可能性は高いですし、「なし」とあれば、破産手続きの中での戻り分しか期待できません。

2)財務書類等の備え付け義務の対象となる前払い取引の下限額を5万円とする。

3)クーリングオフ、及び中途解約の対象となる関連商品

 これは、サービスを受ける段階で、買わせられることが多い商品までもクーリングオフできるようにするというものです。もしこの規定がないと、店鋪契約の場合はクーリングオフが商品に関してできないということになります。その意味で重要です。

エステティックサロンについては

・いわゆる健康食品※

・化粧品、せっけん(医薬品除く)及び浴用剤※

・下着

・美顔器、脱毛器

外国語教室、家庭教師派遣、学習塾については

・書籍(教材含む)

・カセットテープ、CD等のいわゆる学習ソフト

・ファクシミリ機器、テレビ電話

※:使用又は一部消費の場合にクーリングオフができなくなる

4)特定継続的役務提供契約の解除(中途規約)に伴う損害賠償額の額の上限を以下の通りに定める。

特定継続的役務

役務提供開始前

役務提供開始後

エステティックサロン

20,000円

2万円か契約残額の10%の低い方

外国語英会話教室

15,000円

5万円か契約残額の20%の低い方

家庭教師派遣

20,000円

5万円か1ヶ月分のサービス料の低い方

学習塾

11,000円

2万円か1ヶ月分の授業料の安い方

 今までこの「中途解約」のトラブルが非常に多発していましたが、消費者が金額の安い方を選べますし、中途解約権として法律で認められましたから、今後のトラブルは減るものと思われます。

 ただしこちらは既に受けたぶんのサービス料は支払わなければいけません。

5)指定商品、指定役務に以下を追加

(追加指定商品)
太陽光発電装置/かび防止剤、防湿剤/家庭用融雪設備

(追加指定役務)
・エアコン、ふとんの清掃
・太陽光発電装置、家庭用融雪設備の取り付け又は設置
・太陽光発電装置、太陽熱利用冷温熱装置、履物、畳の修繕または改良
・映画を鑑賞させること。←これの追加は大きいですね。

6)割賦販売法の抗弁の接続

 これも非常におおきな改正点です。従来は例えば倒産してサービスを受けられなくなっても「クレジット契約」の解約はできませんでした。これは割賦販売法で役務サービスには支払いの抗弁の接続がないとされていたからです。

 しかし今回の改正で、特定継続的役務提供業者には抗弁の接続が、指定役務、指定権利について認められました。一層の消費者保護が計られました。

詳しいことは、経済産業省まで

TEL:03-3501-1511(代)

です。なお経済産業省のホームページは

経済産業省ホームページ

← ボタンをクリックしてください。

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