相続トラブル


 このページでは、相続にまつわる非常に恐い、もしくは醜い、悲しいケースを挙げて紹介したいと思います。たった「一行の遺言書」がなかったために起きた悲劇をみてください。順次このページは更新していきます。


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子供がいない夫婦のケース(妻志津子さんのケース)

(仮名)志津子さんは、都内に家と土地をもち、長年連れ添った旦那さんの(仮名)栄吉さんと二人で暮らしていました。二人の間には子供はなく、また地方からでてきて、苦労した栄吉さんは親戚付き合いもしていなく、ひっそりとつつましやかに二人きりで暮らしていました。

 そんなある日に栄吉さんが突然ひきつけをおこし、そのまま心臓発作でなくなられました。志津子さんは一人きりになってしまいました。しかしこれからが、志津子さんの悲劇のはじまりだったのです。

 栄吉さんの遺産は都内にある自宅と自宅の土地だけでした、しかしわずか40坪とはいえ、金額にすれば5000万、家と含めて6500万円の遺産がありました。志津子さんは当然その自宅にそのまま住み続けられると思っていました。

 49日も過ぎた頃相続の手続をしにいったところ、実は栄吉さんには兄弟が6人いたということです。もちろん音信不通でどこにいるかもわかりません。そのままでは、自宅と土地の相続ができないとのことでした。

 その話によると、子供がいない場合は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1ということで相続分があるとのことでした。そしてもし自宅を自分のものにするには、遺産分割協議書をつくり相続人みなにハンコをもらってこなければいけないということでした。

 とはいっても、音信不通の兄弟ですから探すだけでも一苦労です。そしてやっと探し当てても、見も知らない人がいきなり「ハンコ押して下さい」ですからうまくいきません。またあからさまに、相続分があるならお金をもらおうという人もいます。そしていちばんやっかいだったのは、代襲相続というものでした。

 親が亡くなるとその分が子供に均等割りで相続されていくというものです。結局代襲相続で最終的な相続人の人数は14人にまで増えました。それが北は北海道から九州までバラバラで日本全国あちこちで大変な思いをすることになりました。

 しかしそのうちの数人が自分の相続分をよこせということで、まとまりません。金をよこさなければハンコをつかないというのです。その金額は700万あまりでした。とてもとても年金暮しの志津子さんには払える金額でもありません。泣く泣く家を売り払う決心をしましたが、家を売るにはまた相続人全員の承認が必要ということで、ハンコをもらわなければいけないということでした。志津子さんはもう気力をなくしてしまいました。


 〜実はこのケースはたった一言栄吉さんが「妻志津子に自宅と土地を全部相続させる。」と書いておけば、防げたものだったのです。子供がいない場合は次の順位の相続人に相続権がうつります。特に子供がいない夫婦の場合には、父母健在の場合の嫁姑問題や兄弟姉妹等との関係でもめることが多いのです。

 たった一言の遺言が、残されたものに与える影響は非常に多きいのです。


仲の良い子供達が・・・(多恵さんの場合)

 多恵さんは、旦那さんと、息子一人、娘一人をもうけ、ごく普通の生活をしていました。息子が結婚をきに家を出て、娘も嫁にいき今は、旦那と二人で、自分の宅地で暮らしていました。そんなある日のこと旦那が突然たおれて救急車で運ばれ、そのまま病院でなくなりました。脳いっ血でした。

 そしてしばらくたち、長男が家を訪れました。その内容は「多恵さんとこの家で同居したい。」というものでした。そして娘も数日後家を訪れ多恵さんと同居したいということを伝えました。

 多恵さんはどちらもかわいい子供達です。家に呼んで話し合わせることにしました。それがどうでしょう。あんなに仲の良かった二人がおたがいに一歩も譲らないのです。あとになってわかるのですが、このとき長男は家の購入を考えており、渡りに船のタイミングだったこと。娘も嫁いだ先のマンションが老朽化してきており買い換えを考えていたことがあいまって二人に妥協点が見出せなかったのです。けっして多恵さんのことを一番に考えていたわけではなかったのです。

 亡くなった旦那の遺産は、都内の中心部だったこともあって、家、土地少しの預貯金だけでしたが、総額1億1千万にものぼりました。法定で分けたらば多恵さん5500万、長男2750万、娘2750万ということでした。

 話し合いはつかず、どちらも同居ができないのならば、自分の相続分はもらうといってんばりです。かといって、家、土地を売らなければとても2750万なんて払えるわけありません。

 家裁の調停、をうけましたが、当然まとまりません。多恵さんは長年住み慣れた家を手放すことにしました。結婚すると子供達にも配偶者の意見が入りあの頃のようにはいかないものだと思ったとのことです。

 結局長男夫婦と新しい家を買ってそこで暮らすことになりましたが、亡くなられた旦那さんとの思い出までうってしまったようで今でも悲しいそうです。


 実はこのケースも旦那の一言「妻に全部相続させる」ですんだことなのです。結局母親のものはいつかは子供達にもいくわけですし、もしこの段階で争いがおきても、賢い人ならばおさえるのが普通です。なぜなら、母親とこの段階でいざこざをおこしたら、母親から相続人廃除をされて1銭も相続できなくなる可能性もあるからです。

 もし1行でも遺言があれば、住み慣れた家を売らなくても済んだことでしょう。


最後に

 このケースはまだまだ氷山の一角に過ぎません。うちは財産がないから、みんな仲がいいからそんなことはない、なんて考えは今すぐ捨てるべきです。少しの手間でこのような争いや悲劇は防げるのです。

 問題が起こり、家裁の審判や弁護士に頼るなんてことの前に、できることをしましょう。「遺言」は少しでも財産のあるもの、守りたい人がいるものの義務であると私は思っています。


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