特定商取引に関する法律で規制される訪問販売。
その法規制は非常に厳しいものがあります。当然法令を守れば合法的な取引ですので犯罪として禁止されているものではありません。しかしながら現状はほとんどの業者が法令違反をしているのが現実です。
では規制を守りつつ営業するとしたらどのようなことになるのでしょうか?
訪問のきっかけ編
訪問販売は、家などへ突然訪問することで始まります。この訪問時に関しての規制もいくつもあります。
氏名等表示義務
訪問販売業者は、勧誘に先立って、業者の氏名や契約目的、勧誘してもよいかなどを正しく伝えなければいけません。
ということは、例えば訪問販売で布団を売りたいとするとこのように言わなければいけません。
「弊社は株式会社ふとんの吉田です。これからあなたに弊社の布団を買っていただきたいので、勧誘を始めてよろしいでしょうか?」
こんなことをドアホンで話されて、「ちょうど良かった。今布団がほしかったんだよ~」という珍しい方がいて初めて次の段階に移れるわけです。
勧誘編
さて次は勧誘が始まりました。ここでもいくつも規制があります。
不実告知の禁止
業者は事実と異なることを告げてはいけません。なので、この布団で寝ると健康になる、肩こりが治る、あなたの布団はダニカビだらけでこのままだと不健康になるなど。
再勧誘の禁止
業者は勧誘を断られたらそれ以上の勧誘をしてはいけません。なので、もういらないと言われたら、それ以上は勧誘してはいけません。営業をやっている方だと理解できるかと思うのですが、営業は断られてなんぼ。そこから始まるなどいうこともあるくらいですから実際に断られて引き下がっていたら契約など絶対にとれないわけです。
ですから、訪問販売で合法的な取引を行うとなると
ピンポ~ン 「私は株式会社ふとんの吉田の吉田です。これから弊社の布団を買っていただきたいので勧誘を始めてよろしいでしょうか?」
客「ちょうど良かった。布団欲しかったところなんだよ~」
業者「弊社のふとんはこちらです。羊毛敷きの高級なものです寝心地もいいですよ」
客「これはいいね!」
業者「こちらはいかがですか?セットの掛布団です。こちらもいいですよ~」
客「これもいいね。よし決めた!」
とこんな感じで流れなければ合法的なものにはならないわけです。
ですが、現実はそうではなく
ピンポ~ン「最近無料でふとんの打ち直しと診断を行っておりますのでいかがですか?ほんの4,5分で終わりますので」
客「そうかい、無料なのでだったらいいよ。見てくれよ」
業者「チェックしたらこれ見てください。ダニカビのし甲斐がたくさんいるでしょう。こんな布団で寝てたらアトピーとか健康状態が悪くなったりしますよ。だれか体調悪い方とかいませんが?」
客「そういえば、最近体調悪いなあ」
業者「そういえば、今車にわが社のいい布団がたまたま入っているんですよ。お試しでいかがですか?」
「どうでしょう。寝心地いいですよね。どこどこの検査も通っていて健康にもいいんですよ。体調も絶対よくなりますよ」
「しかも今日だけならば、勉強もできます。次に来たときはこの値段で買えませんよ。50万のところ、35万にします」
客「でも高いからやめとくよ」
業者「そうは言わずに、では、本当に最後で30万でどうでしょうか?月々の支払もこんなもんですから」
とこのように続くわけです。
個人的には、合法的に訪問販売を行うことは不可能だと思っております。
勧誘に先立っての氏名等表示義務はとんでもなく厳しいものですし、これを守っても、家に上げさせる方はそうはいないでしょう。
さらに断ったら、わかりましたとその場ですぐ帰らないといけません。これは営業としてはありえないことです。
訪問販売で購入するということは、どこかでまず法令違反行為があったとみるほうが合理的だろうと思います。
訪問販売の契約は書面交付の日から8日間はクーリングオフ可能です。
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