プログラミング教室はクーリングオフ出来るのか?
さて、特定商取引に関する法律では、特定継続的役務提供としていわゆるパソコン教室を規定しております。
パソコン教室とは「電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授」とされており一般的な具体例としては、ワードやエクセルなどの指導であったり、パソコンの利用法、使用方法、メールやホームページの見方などを教える教室を想定しているとされています。
さてここで「プログラミング教室」がこれに該当するのか?という疑問が出てきます。
プログラミングということは、パソコンの基礎的な指導ではなくて、より高度な知識を教えるサービスといえます。
しかしながらその一方で、電子計算機の技術の教授に該当するといった解釈もとれそうではあります。
そこで、産業競争力強化法に基づくグレーゾン解消制度に基づいて、インターネットを通じたプログラミング教育の提供が該当するかどうかの回答が行われました。
その答えは?
結論としては、消費者庁及び経済産業省は、パソコンの操作に関する知識や技術の教授と一体不可分とならない限り、「特定継続的役務」に該当しない旨の回答を行いました。
つまりは、パソコン教室に含まれるような内容の講義プログラムとセットであって、これと分けて契約が出来ないような契約でない限りは特商法の適用を受けませんので、クーリングオフ出来ないということになります。
なぜプログラミング教室は適用除外なのでしょうか?
1つに特商法は営業の為、または営業としての契約を除外するという性格があります。
プログラミング教室は基本的に趣味で行うということが少ないだろうといった想定があるのかと思います。
仕事で使うために受講する、開業しようとして受講する。など営業の為の性格が強いと考えていること。
2つに、産業振興といった意味合いでプログラマーの育成を盛んにしていきたいという国の施策。
プログラミングはこれからも必須の知識となりますが、クーリングオフというのは社会の安定性と個人の保護といった法律の世界の相反する保護のバランスのはざまにあるものです。
個人を強めれば、社会が弱くなり、個人を弱めれば社会が強くなる。
施策として社会を振興させたいとなると個人保護を弱めるしかないということになり、今回のクーリングオフ適用がないという回答になったものと思われます。
3つに、特商法などの特定継続的役務提供の指定業種は、まず最初にその業種のトラブルが多かったからという背景から規制が出てきたということがあります。
プログラミング教室に関する苦情数が相対的に低いのでといった理由もあるのかと思われます。
プログラミング知識は学校の中でも取り入れるようになってきたくらいに、今後も重要な知識といえます。ただクーリングオフ制度の適用はないので、契約する際は注意が必要と思います。(ただ任意のサービスでクーリングオフを設けている会社などもあります。)
コメントを残す