宝石やアクセサリーのアポイントメントセールスを行っていた株式会社ジェムケリーに消費者庁から平成24年9月18日に行政処分が下されました。6ヶ月間の業務停止命令となります。

株式会社ジェムケリーは、抽選によりプレゼントが当たるキャンペーン等を実施して消費者を募り、応募してきた消費者に電話をかけ、抽選によるプレゼントとは別の応募者全員への無料プレゼントの受け渡しのために、店舗又は展示会に来てほしいと勧誘目的を告げずに誘い出した上で、執拗な勧誘を行い、宝石、貴金属及びこれらを用いた装身具（以下「本件商品」という。）の訪問販売を行っていました。

発表によると認定した違反行為は以下のとおりです。（１）同社は、｢お店まで無料のプレゼントを取りに来て。」と、消費者を店舗や展示会に誘引し、更に、その勧誘に先立っても、「せっかく来たんだから宝石のこともちょっと勉強していってよ。」と売買契約の締結について勧誘する目的であることを告げていませんでした。（勧誘目的不明示）（２）同社は、消費者が「要らないです。」などと、本件商品の売買契約を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず、値下げや分割払いの金額を提示するなどして、引き続き勧誘を行っていました。（再勧誘）（３）同社は、勧誘をする目的であることを告げずに消費者を誘引し、ホテルの会議室等、公衆の出入りする場所以外の場所において、勧誘を行っていました。（公衆の出入りしない場所での勧誘）（４）同社は、６時間以上の長時間にわたって執拗に、また、夜間まで勧誘を続けるなど、消費者に迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘を行っていました。（迷惑勧誘）

過去に同様の契約を行って、クレジット支払途中の方は、中途解約などの可能性も出てきました。私の事務所でも過去に複数のクーリングオフ事例を取扱いましたがいずれの方も今回処分を下されたのと同様の契約経緯を疑問に感じて行動に移された方でした。ご自身の契約を見直されて、このような不当行為を受けているなどの事情がありましたら、是非中途解約についてご相談 ください。

著者：吉田安之