福岡県は、平成22年10月6日に温灸器を販売していた訪問販売事業者「株式会社毎灸(本社:福岡市中央区)」に対し、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「法」という。)の違反行為を認定し、法第8条第1項に基づき、12カ月間、訪問販売にかかる売買契約の勧誘、申込の受付及び契約締結の各業務について停止するよう命じました。
12ヶ月という長期の処分は福岡県で初めてということです。さらに法に基づく業務停止命令に違反した場合は告発する。 ※業務停止命令違反の場合の罰則(法第70条の2、法第74条) 行為者:2年以下の懲役又は300万円以下の罰金 法 人:3億円以下の罰金 とまで強い態度を示しております。
主な被害はこのようなものです。(1)法第3条違反(販売目的等の不明示)
ア 販売目的の不明示
同社は、消費者宅を訪問して本件商品の売買契約の締結を勧誘するに際し、事前に営業所から電話アポインターが消費者宅に電話をかけ、「ビワ温灸の無料お試し」などと告げ、さらに、同社に所属する営業員が消費者宅を訪問する際にも、「ビワ温灸の無料お試し」、「先ほど電話をかけた会社の者です。」などと告げ、機器の試用等を行う目的で来訪したかのように告げていた。
イ 氏名の不明示
同社の久留米営業所である「灸心堂」は、本件商品の売買契約が同社と締結されるにも関わらず、事前に営業所から電話アポインターが消費者宅に電話をかけ、また、「灸心堂」の営業員が消費者宅を訪問する際にも、「灸心堂」とのみ名称を告げ、同社の名称を告げていなかった。
(2)法第5条第1項又は第2項違反(書面不備)
同社の久留米営業所である「灸心堂」は、消費者宅を訪問して本件商品の売買契約の締結するに際し、本件商品の売買契約が実質的に同社と締結されるにも関わらず、消費者に交付する契約書面に「灸心堂」の名称、住所、電話番号、代表者の氏名を記載し、同社の名称、住所、電話番号、代表者の氏名を記載していなかった。
ア 同社は、消費者宅を訪問して本件商品の売買契約の締結するに際し、消費者に交付する契約書面に商品の種類を記載していなかった。
イ 同社の久留米営業所である「灸心堂」は、消費者宅を訪問して本件商品の売買契約の締結するに際し、本件商品の売買契約が実質的に同社と締結されるにも関わらず、消費者に交付する契約書面に「灸心堂」の名称、住所、電話番号、代表者の氏名を記載し、同社の名称、住所、電話番号、代表者の氏名を記載していなかった。
(3)法第6条第1項違反(不実告知)
ア 法第6条第1項第1号違反(効能に関する不実告知)
同社は、消費者宅を訪問して本件商品の売買契約の締結の勧誘をするに際し、消費者に対し、本件商品について、本来の効能が「疲労回復、血行をよくする、筋肉の疲れをとる、筋肉のこりをほぐす、神経痛・筋肉痛の痛みの緩和、胃腸の働きを活発にする」であるにも関わらず、「○○の痛みに効く」、「様々な痛みに効く」、「しびれに効く」、「痛みも病気も治る」、「○○病も治る」、「利はあっても害は無し」、「ドロドロとした血液がサラサラになる」、「体が芯から温もる」、「病院に行かなくても良くなる」、「病院に通院する時間が節約できる」などと効能を告げていた。
イ 法第6条第1項第2号違反(価格に関する不実告知)
同社は、消費者宅を訪問して本件商品の売買契約の締結を勧誘をするに際し、商品売価として、あらかじめ定めた価格の範囲内で本件商品を販売しているにも関わらず、「特別割引です」、「社員割引です」、「キャンペーン価格です」、「サービスさせていただきます」、「特別なので他の人には言わないでください」などと告げ、「多額の値引きをした」、「著しく得をした」と消費者と誤認させ、契約を締結していた。
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