相談にのっておりますと、一人だけで細々と事業をされている方からのご相談も入ってきます。
大抵の場合は、自分は個人だけでやっていて大きなところではないから、なんとかならないだろうか?というものになります。
いわゆるクーリングオフなどを規定する特定商取引法や消費者契約法などでは、事業者、消費者という概念があります。
この考え方は基本的に両法令ともほぼ同一と見て良く「営業の為、営業として」の契約を実態的に見てゆきましょうというものになります。
実態的にといことは、「現にその営業を行っておりその営業の為に、またはその営業の為に」行う契約か否か?ということになります。
ですから、名目上代表取締役なになにと契約書に記載があったとしてもその契約目的が実態的な営業のものではなければ、適用になるということになります。
ですから消火器の訪問販売の例で法人であってもクーリングオフを認めたなどの事例があるのはこの考え方から導き出されたものだと言えます。
しかし、個人営業の方でも、自分の仕事の宣伝HPだったり電話回線リースだったりしますとこれは実態的にみても営業目的となります。
一応、営業のための利用などが主である場合に適用になるのだという通達も出ておりますが、通常このような宣伝HPは個人利用が主であるとは言えません。
よって、消費者法の適用がなくなるので大変困難だということになるわけです。
1万人の大企業でも、一人の零細業者でも契約書にサインをする責任は同じです。
仮にも事業をするという場合は、このような覚悟と責任が発生するのだということを、個人事業者の方々には解っておいてもらえればと思います。
著者:行政書士吉田安之
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